緑内障外来
患者様各位
2021年5月から、元東京大学医学部眼科学教室の主任教授でいらっしゃった、新家 眞 先生の外来を開始いたします。新家先生のご専門は緑内障です。外来は、「緑内障特殊専門外来」とし、完全予約制となります。初めて当クリニックに受診をご希望される方は、1.紹介状をご準備いただき、2.電話にてご予約を取っていただきます。また、3.保険外併用療養費として 3,300円を徴収させていただきます。基本外来診療のみで、手術、処置等が必要な場合は他施設へのご紹介、また紹介元の施設への逆紹介となることもあります。世界的にも大変ご高名な先生をお迎えできることを大変うれしく思っております。緑内障でお困りの患者様方の安心につながれば幸いです。
ご予約電話番号:045-313-4036(14時~16時)
(緊急対応時などすぐに電話に出られないことがあることをご了承ください)
神奈川歯科大学附属横浜クリニック 眼科 科長 市邉 義章
2021年4月
緑内障とは
緑内障とは、視神経がダメージを受け、視野(見える範囲)が狭くなったり、視力がおちたりする病気で、古くには「青そこひ」と言われ、白内障と並んで多い眼の病気の一つです。
日本では現在、40歳以上の人口のうち約30人に一人が緑内障で、そのうちの80%が、自分では緑内障であることに気付いていない、潜在患者だと言われています。
緑内障の原因
眼の中には絶えず房水と呼ばれる液体が循環しています。房水は眼の中にある毛様体という組織で産生され、茶目(虹彩)のつけ根の隅角にある排水路から排出されます。
通常、眼球内で産生される房水量と、排出される房水量はバランスを取っているため、眼球内の圧力(眼圧)は一定に保たれています。しかし、なんらかの原因で房水の流れが悪くなり、眼の中に貯留すると、眼圧は高くなります。その結果、視神経が障害され、視野(見える範囲)が狭くなります。このような症状が緑内障です。
ただし、最近では眼圧が正常でも緑内障になる人が増加しています。このようなタイプを正常眼圧緑内障といい、日本人は諸外国に比べこのタイプが多いとされています。
緑内障の症状
緑内障には大きく分けて3つのタイプがあります。中でも成人に多いのは「閉塞隅角緑内障」と「開放隅角緑内障」です。
- 閉塞隅角緑内障
房水の排出口が虹彩の根元で閉鎖されているタイプ。急性緑内障はこのタイプに入ります。突然、何らかの拍子に房水の排出口が閉じて起こり、眼圧が上昇します。 - 開放隅角緑内障
隅角は十分開いているのですが、排水路の途中で通過障害が起きているタイプです。通常、眼圧は高くなりますが、眼圧の高くならないタイプの正常眼圧緑内障では、眼圧が正常にもかかわらず、視神経がダメージを受けてしまいます。 - 先天緑内障
生まれつき隅角の発達が未熟であることより眼圧が上昇して起きます。赤ちゃんの黒目が大きくなったり(牛眼)、異常にまぶしがったりします。
定期健診のすすめ
残念ながら緑内障は自覚症状がほとんどなく、病気の進行に気付かずに進行していることが多いので、40歳を過ぎたら、眼の定期検診を受けられることをお勧めします。そうすることによって早期に緑内障を発見し、早期治療が開始できます。
緑内障は生涯にわたり治療や管理が必要な病気です。一旦ダメージを受けた視神経は回復せず、失った視野や視力も元には戻りません。もし、緑内障と診断されたら定期的に眼科を受診しましょう。
緑内障に必要な検査に眼圧検査、視野検査、眼底検査があります。これらの検査の結果を総合的に判断して緑内障の診断をします。
- 眼圧検査
眼の表面に空気を当てて測定する方法と、直接眼の表面に器具を接触させて測定する方法があります。眼圧の正常値は10~21mmHgです。 - 視野検査
視野(見える範囲)を検査します。緑内障の程度によって、行う視野検査の種類も異なる場合があります。 - 眼底検査
視神経や網膜の状態を観察します。眼底の周辺部や視神経の状態をより詳しく検査するため、瞳を開いて(散瞳剤を点眼して)診察をすることがあります。
緑内障の治療
緑内障の治療は、病気の進行をできるだけくい止めるため、基本的には眼圧を低く保つことが有用とされています。患者さんの病気の程度によって、適切な治療内容も変わってきます。
- 薬物治療
薬には「点眼薬」、「内服薬」、緊急時には「点滴薬」が使われます。これらの薬剤はいずれも眼圧を低下させる効果があります。一般的には、点眼薬によって眼圧をコントロールしていき、眼圧や視野検査の経過によっては、点眼薬の種類を変更したり、追加したりします。また、視神経保護や血流改善が期待される点眼薬や内服薬も、特に正常眼圧緑内障の患者さんに使用することがあります。 - レーザー治療
レーザー光線で虹彩に小さい穴を開け、房水が流れるバイパスを作ったり、レーザー光線を房水の排出口に当てて、房水の流れを促進します。 - 手術
薬やレーザーの効果が不十分の場合に行います。方法としては、房水の流れが悪い部分を切開して流れをよくしたり、新しく房水の流れる通路を作ったりします。
緑内障外来のご案内
点眼のみでコントロール不良な難治性、進行性の緑内障の場合、レーザー治療や緑内障手術(当クリニックでは行っておりません)が必要なことがあります。手術が必要な場合は専門施設(北里大など)へ紹介いたします。
担当
医師名 | 役職 | 専門分野・所属学会など |
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新家 眞 | 客員教授 |
財団法人日本眼科学会 専門医 日本緑内障学会 American Academy of Ophthalmology Association for Research of Vison and Ophthalmology (ARVO) Asia-Pacific Glaucoma Society;World Glaucoma Association Glaucoma Research Society 東京大学名誉教授(医学部眼科学) 公立学校共済組合関東中央病院名誉院長 専門:緑内障 |